甘木さんちのはなし
甘木さんというご家族がいらっしゃいます。
甘木という苗字は、いうまでもなく
「某」という字を分解したものです。

甘木さんは柴犬を飼っています。
「ハヤテ」という名前です。
でも天然な犬なので、いつ頃からか
「ハテ」と呼ばれるようになりました。
なにを見てもなにを聞いても、
そんな反応なんですって。
甘木さんちにはお蔵があって、
由緒あるお茶道具がいっぱい入っています。
ある深夜、そのお蔵に泥棒が入りました。
奥さんが物音に気づいたときは、ことすでに遅し。
その夜、ご主人は出張で居なかったのです。
パニクった奥さんは母に電話をかけて来られ、
「あの、ひないじさん!!!
110番を呼ぶには何番にかけたらいいんでしたっけ?!」
と訊かれました。
母も慌てて、
でも絶対に甘木さんに間違いのないよう、
104で中央警察署の番号を必死になって聞いて、
直ちに甘木さんにお知らせしました。
盗まれた品は、
ドロボーが売りつけようとした古道具屋さんが
怪しんで警察に連絡し、
後日、ほとんど無事に戻ってきました。

それにしても、ハテはドロボーを見ても
「はて?」と思っただけだったようで、
なんにも吠えなかったそうです。
番犬にもなってくれなかったのね。
※「『甘木』という名字はいうまでもなく
某という字を分解したもの」
この部分の著作権は、私ではなく伊丹十三です。
「再び女たちよ!」というエッセイ集の中の
「不在通知」という文章の冒頭にあります。

⇒☆☆
甘木という苗字は、いうまでもなく
「某」という字を分解したものです。

甘木さんは柴犬を飼っています。
「ハヤテ」という名前です。
でも天然な犬なので、いつ頃からか
「ハテ」と呼ばれるようになりました。
なにを見てもなにを聞いても、
そんな反応なんですって。
甘木さんちにはお蔵があって、
由緒あるお茶道具がいっぱい入っています。
ある深夜、そのお蔵に泥棒が入りました。
奥さんが物音に気づいたときは、ことすでに遅し。
その夜、ご主人は出張で居なかったのです。
パニクった奥さんは母に電話をかけて来られ、
「あの、ひないじさん!!!
110番を呼ぶには何番にかけたらいいんでしたっけ?!」
と訊かれました。
母も慌てて、
でも絶対に甘木さんに間違いのないよう、
104で中央警察署の番号を必死になって聞いて、
直ちに甘木さんにお知らせしました。
盗まれた品は、
ドロボーが売りつけようとした古道具屋さんが
怪しんで警察に連絡し、
後日、ほとんど無事に戻ってきました。

それにしても、ハテはドロボーを見ても
「はて?」と思っただけだったようで、
なんにも吠えなかったそうです。
番犬にもなってくれなかったのね。
※「『甘木』という名字はいうまでもなく
某という字を分解したもの」
この部分の著作権は、私ではなく伊丹十三です。
「再び女たちよ!」というエッセイ集の中の
「不在通知」という文章の冒頭にあります。

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